平成31年2月21日 4番議員 哘 清悦(一問一答方式)
【壇上】
今定例会での一般質問が任期最後の一般質問となります。
来月から施行される七戸町まちづくり基本条例には、議会の責務には、町民の声を反映させる、議員の役割には、積極的に町民との対話を心がけ、町民に広く意見を聴くと明記されております。
それに関しては私なりに意識して活動してきたつもりですが、まだ届けて来なかった町民の声があります。
それは、議会及び議員に対する不満の声です。
人口減少に合わせて議員も減らしてもいいのではないか、一般質問はいつも同じ人しかしていない、議員の視察研修は意味があるのかなど、耳が痛い話ばかりでした。
定数削減した場合、議会のチェック機能は低下しないか、報酬を削減した場合は議員のなり手は減るのか、逆に報酬を増やしたら議員のなり手は増えるのか、役場職員が退職してでも議員になろうと思う報酬はいくらなのか、報酬を上げれば議員の質も上がるのかなど、何をどう変えればコストパフォーマンスの優れた議会になるのか私自身いろいろと情報を集めて考えてはみましたが、これだという結論を出せていません。
一つ自信を持って言えることは、議員定数や議員報酬の議論は後回しにしても、女性議員の比率を高めるための取り組みは今すぐ始めても間違いはないということです。
男女共同参画の推進の究極の成果は、将来の方向性を決定する議会が男女同数になることではないかと思っていますので、それらについての質問を質問者席から行います。
【質問者席】
質問1−1.七戸町まちづくり基本条例について
(1)周知方法について
七戸町の自治の基本理念及び基本原則を定めた七戸町まちづくり基本条例が、平成31年4月1日から施行されます。
主権者である町民、及び、協働の担い手である事業者等への周知を図る必要があります。ホームページで条例全を見られるようにし、広報しちのへでもお知らせするとは思いますが、多くの町民は、この条例が施行されることによって何がどう変わるのか想像できないのではないかと思います。
町民の権利、義務及び役割として、三つの権利が明記されています。
町が提供する役務を受ける権利についてはこれまでと同様だと思うので触れません。
町政について知る権利については、情報公開に関係してくるので、次の質問に回します。
町政に参加する権利については、主権者である町民には最も行使して欲しい権利です。
私は重要な計画の策定段階に町民を参加させることだと解釈しており、今後、どのような計画をいつから策定する予定なのかを示し、町民の意識と参加の意欲を高める取り組みが大事ではないかと考えています。
いつからどのような計画の策定を予定しているのか、町のホームページを見ればわかるようにする考えはあるか伺います。
(2)意見、要望への対応について
「第18条 町は、町政に関する町民の意見、要望に誠実、迅速かつ的確に対応するとともに、その結果について町民に回答しなければならない。
2 町は、町民から寄せられた意見中、不平・不満に属する事実について、その原因を追究し、再発防止、未然防止等の適正な対応に努めなければならない。」と明記されています。
町民からのよくある質問については、町のホームページの「よくある質問」を充実させていけば良いと思いますが、政策的な意見・要望については、青森県が行っている「県民の声データベース」と同じようにするのが良いと思います。
10年位前の町政座談会で、そのことを提案しましたが、当町ではまだ行われていません。
青森県のホームページのトップページを見ると、三村知事の顔の右側に「アナタの声を県政へ」があり、それをクリックすると「県政・わたしの提案」・「あおもり県民政策提案制度(パブリック・コメント制度)」・「未来デザイン県民会議」・「出前トーク」・「元気あおもり応援隊」・「県民の声データベース」、「「よくある質問」まとめページ」、「行政相談」、「公益通報」、「お問い合わせ」が出て来ます。
青森県の広聴活動に関しては不足な点が見当たらないほど充実しています。
その中の県民の声データベースも県民の政策提言の中の一つであり、提案したのは私です。三村知事が青森県知事に就任した1年目の1月、一人5分に限定された発言時間の中で、県民の声データベースの開設を提案するために、百人委員会会場の弘前市まで吹雪の中を車で行ったことを思い出します。
「提案者の私達は、まだ誰も提案していないだろうと思って今日も提案していますが、知事及び県職員の皆さんは、このような広聴活動を行っていると、同じような意見・提案・不満を何度も聴いていると思います。
県民の声をデータベース化し、県民が自分と同じ意見・提案・不満がすでに出ていないか、そして、県はそれに対してどのように対応したのかをホームページで見られるようにすれば、お互いに時間の無駄を省くことができます。」と発言しました。
県民の声データベースが、県民の情報共有、県職員の労力軽減・業務の効率化に一定の効果を発揮していると思っています。
何よりも私が驚いたのは、三村知事が、新年度から県民の声データベースを開設すると発表した記事を、その一週間後の東奥日報で見た時でした。
そこで伺います。町長は、青森県が行っている広聴活動と同じ取り組みを行う考えはあるのか伺います。
(意見)町民に開かれた議会について
(町民に開かれた議会)の第8条に、「町議会は、議会に関する情報を公開し、提供するとともに、町民の声を聴くことにより、町民に開かれた議会を運営する。」と明記されています。
今町長に質問した内容は、議会にも同様に求められていることだと思います。
今後、議会の情報公開や広聴活動については、議会改革の議論の中で話し合われ取り組んで行くことになると思います。
私はチームプレーの議論の前に、先ずは個々のレベルを上げることの方が先決だと思っており、議会がどうあるべきかを頭の片隅に置きながら、先ずは議員として自分自身が取り組むべきことは何かを常に意識して活動しています。
一般質問で質問しようと思っていることについては、他の議員が以前に質問していないかを確認する必要があります。何よりも、自分が以前に質問していることすら忘れて同じ質問をしないように注意しなければなりません。
私の一般質問も今回で32回目になります。自分の一般質問だけでもデータベース化しないとそのようなミスが起きかねない状況になってきました。
そこで、私は自分の一般質問データベースを作成し、パソコンやスマホで、誰でも見たい時に見られるようにしました。
その結果、一般質問で提案していながら、その後全くフォローしていないものが結構あることに気付きました。
町民及び議員が、議会での議論を共有できるようにデータベース化して、ホームページで公開していくことに関しては、今後の私の研究課題の一つにしていきたいと思います。
(3)適法・公正な町政運営について
「町政運営に携わる者は、町政に違法又は不当な事実があった場合は、これを放置し、又は隠してはならず、組織の自浄作用により町政の透明性を高め、町政に対する町民の信頼を持し、適法かつ公正な町政運営を確保しなければならない。」と明記されています。
森友学園事件での財務省の公文書の改ざんや、各省庁の障害者雇用の水増しや厚生労働省の統計調査の不正等はあってはなりません。
多くの国民は国の不正を見て、違法行為を行っている本人は、問題が発覚し隠しきれなくなるまで放置し隠すものであり、財務省や厚生労働省のような組織に自浄作用は期待できないと思っているのではないかと思います。
私は、そのような不正を早期に発見するためには、公益通報保護法と内部通報制度をしっかり機能させる必要があると思っています。内部通報担当者に対する損害賠償請求訴訟が起こされた事例や、内部通報制度の通報窓口の守秘義務違反が裁判所で認定された事例もあるので、制度の正しい設計と正しい運営が求められます。
特に、秘密を守ると言ってアンケートを取りながら、虐待している父親にそのコピーを渡し、結果的に10歳の子供を死に至らしめた事件は、不正や犯罪の情報は特に慎重に扱わなくてはならないことを痛感させてくれました。
現在当町は、公益通報保護法をどのように活用しているのか伺います。
あるとすれば、改善すべき点があるのか伺います。
ないとすれば、整備する考えがあるのか伺います。
(再質問)内部通報制度について
公益通報保護法に依らない社内ルール、上司への不満、セクハラ・パワハラ関係、処遇の不公平等の職場や労働条件・環境に関する不満当は、内部通報制度で解決を図ることになりますが、現在当町では、内部通報制度が整備されているのか伺います。
(意見)サービス残業について
民間では、ブラック企業・サービス残業・過労死という言葉が良く聞かれます。
残業手当が付かないサービス残業を自ら好んで行う人はいないと思いますが、上司から与えられた仕事の量が本人の能力を超えていても不満を言うことができない場合に、自らの判断でサービス残業を選択してしまうのだと思います。
私も会社員の経験があるので労働者の立場はよくわかります。
残業は、自分の仕事の進め方が悪くて時間がかかっている時もあれば、単純に期限までに終わらせなければならない仕事が多い時のどちらかでした。
仕事量と部下の能力を把握した上で、適切に仕事の配分をするのも管理職の仕事だと思うので、これについては、日頃の各職場でコミュニケーションをよくとり、内部通報制度の活用を考えることがないような職場環境を作るのが望ましいと思っています。
質問1−2.七戸町まちづくり基本条例について
(1)情報公開について(第3セクター等)
同条例では、(出資団体等)について、第25条に、「町長は、七戸町が出資している団体に対して、適切な情報公開及び個人情報の保護が行われるとともに、出資した目的が効果的かつ効率的に達成できるよう、必要な調査、要請又は支援を行うことができる。」と明記されています。
前回の定例会の一般質問において、第3セクター等の情報公開について質問しました。
その際の答弁は、「県内において公表している自治体もあり、そこも参考にしながら検討しているところである。」とのことでした。
その後私は、公文書開示請求で、6つの第3セクターの平成29年度の決算書と総会資料を請求し見てみましたが、そのまま公開しても特に問題はないと思いました。また、その方が職員の負担も増えないと思います。
私はそれで十分だと思いましたが、町ではどのように公開する考えなのかと、ホームページで公開する時期について伺います。
(2)情報公開について(定例教育委員会)
平成29年6月定例会の一般質問で、定例教育委員会の開催日時と場所をホームページで告知することと、その議事録をホームページで閲覧できるようにすることを提案しました。
半年ほど時間を頂きたいとのことでしたが、1年9カ月が経過しました。
いつになればホームページで見ることができるようになるのか伺います。
(3)情報公開について(決算書)
町のホームページのトップページの行政・まちづくりをクリックし、次の画面の「町の財政・人事行政」に中の「予算・決算」をクリックすると、平成22年度から30年度の当初予算をpdfで閲覧できるようになっていますが、決算はありません。
決算もホームページで閲覧できるようにする考えはないか伺います。
質問2.男女共同参画の推進について
(1)男女共同参画の推進状況について
平成11年6月23日に男女共同参画社会基本法が公布・施行されました。
(政策等の立案及び決定への共同参画)については、第5条で、「男女共同参画社会の形成は、男女が、社会の対等な構成員として、国若しくは地方公共団体における政策又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない。」と明記されています。
しかし、平成28年12月31日時点の地方議会・首長における女性比率は、都道府県議会が9.9%、市区町村議会が12.9%、首長が1.6%、議会の長が2.9%に止まっています。平成30年4月時点の日本の国会における女性議員の割合は、衆議院で10.1%、参議院で20.7%、列国議会同盟の各国下院の調査では世界193カ国中158位と、政治の世界においては国の掲げる「女性活躍社会」とは程遠い状況となっています。
平成30年5月23日、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が公布・施行されましたが、そのような状況を改善したいとの思いからだと思います。
同法律の「第3条 国及び地方公共団体の責務」に、必要な施策を策定し、実施するよう努めるものとする。「第4条 政党その他の政治団体の努力」に、目標を定める等、自主的に取り組むよう努めるものとする。と明記されています。
当然議会においても、そのために必要な施策は何であるかを考える必要があります。
また、男女の性別に関係なく、議員の担い手をどう育てるかについてもそれと同時に考えていく必要があると思っています。
そこで、第2次七戸町男女共同参画基本計画の意識作りに関する施策に絞って伺います。
男女共同参画の推進は、町民の意識を変えることが一番大事だと思います。
子供に対しては、学校で教えるのが最も効果的だと思います。
しかし大人の場合、子供と違って学習の機会を設けるのが難しくなります。
計画には、「保育や教育の場における教育と学習機会の充実」と、「生涯学習、社会教育における男女共同参画学習の推進」とありますが、実施状況について伺います。
(2)取り組みについて
地方公共団体は、政治分野おける男女共同参画の推進に関する取組に資するよう、当該地方公共団体における実態の調査及び情報の収集等を行うよう、また、啓発活動・環境整備・人材の育成等も行うよう努めるものとすると明記しております。
議会単独でできるものもありますが、アンケート調査に関しては、町が行うアンケートで一緒に行う方が効率的だと思っています。アンケートの内容については、これから十分に検討する必要がありますが、町が今後予定している中で、そのような調査が可能なアンケートの予定があるのか伺います。
(意見)議会の環境整備と人材育成
ノルウェーで始まったクオータ制は、それまで実施されていた「地域」割り当て制を「男女」に適用した制度で、政治分野におけるポジティブ・アクションと言えますが、本来は、そのような制度無しでも男女同数になるのが理想です。
先ずは、女性が出産や育児のことを心配せずに議員活動できるような環境にあるのかどうかを検証し、必要に応じて改善していかなければならないと思っています。
また、人材育成も重要で、女性議員が立候補する経緯を分析した論文を見ると、女性候補者擁立に積極的な政党からの立候補以外では、教育・福祉・環境問題等の市民活動を活発に行っている女性が、その延長として政治分野に活動の場を移すというのが多いようです。
教育の分野ではPTA出身が多く、PTA室の壁に掲示している歴代PTA執行部の集合写真を見ると、全員男性だった頃から、次第に女性の割合が増え、私がPTA会長を務めた頃は、会長・副会長こそ男性でしたが、役員や委員の約8割は女性でした。
私は、女性が男性に遠慮することなく、自分たちの立場・状況・考え方を最も理解し代弁してくれる女性をPTA会長に選出・輩出するようになれば、自ずと女性議員が増えて来るのではないかと思っています。
私自身、女性がPTA会長を強く拒む原因が何であり、どうすればそれを取り除けるのかよく解りませんでした。将来の女性議員候補も含め、人材育成という点では、PTA活動は貴重な場だと思っています。
政治分野における男女共同参画という課題については、それも念頭に置きながら考えていきたいと思います。
以上で私の今期最後の一般質問を終わります。
上位計画1.第2次七戸町長期総合計画(2016〜2025)
上位計画2.七戸まちづくり計画(新町建設計画)(2015〜2019)
上位計画3.まち・ひと・しごと創成 七戸町人口ビジョン、まち・ひと・しごと創成 七戸町総合戦略(2015〜2019)
荒熊内開発計画(2018〜2038)
(上位・関連計画)
青森県基本計画(2013〜2018)
むつ小川原開発計画
第5次上十三地域広域市町村圏計画
中部上北地域循環型社会形成推進地域計画