縄文遺跡群と栗の木

 トマトのほかに米も加わり、収穫が忙しい稔の秋を迎えた。以前は家族総出で行っていた稲刈りも、機械の機能と性能が向上し、今では68歳の父が一人で全部できる作業になった。

 子供の頃は、稲刈りの手伝いの合間に栗を拾うのが楽しみだったので、栗の木には特に親しみを感じる。

 そんな栗の木に対する私の印象を一変させたのが、日本を代表する縄文遺跡となった三内丸山遺跡の六本柱である。復元に使用されたロシアの栗の木は、直径1m以上、樹高20m以上の巨木で、1本千百万円という単価にはとても驚いた。

 六本柱の建設に使われる全ての木材を燻煙処理した株式会社スガオカを視察に訪れたロシアの森林保安官が、陸揚げの様子を撮影したビデオを途中で止め、木の皮を見て、「これはミズナラだ。ロシアでは1本7万円で買える。」と言ったことを、同社の菅岡健司社長が教えてくれた。

 県は、「ヨーロッパグリとの鑑定結果を得ている」とは回答するものの、それを示す鑑定結果は、請求しても提示しなかった。

 栗は普通、5〜6mの高さになると枝分かれしてしまい、10mを超す真っ直ぐな木材を見つけるのは極めて難しい。

 使用済み核燃料中間貯蔵施設が建設されるむつ市に樹齢800年の「おぐり」という栗の木がある。幹周は約8m、樹高は27mだが、真っ直ぐではない。 

 平成8年の県の現地調査で、ソチ市内の標高千mに、500m四方の栗の純林があることが確認された。その時の写真も開示請求したが県は持っていなかった。

 来年2月7日から、六本柱の栗の木が伐採されたそのソチ市で、第22回冬期オリンピックが開催される。もし観戦に行く予定がある方には、同市の栗の純林の写真撮影をお願いしたい。  

 七戸町にも、貝塚では青森県最大、東北地方でも有数の規模を誇る二ッ森貝塚という縄文遺跡があり、同貝塚は、廣澤安任が明治20年に学会で初めて紹介した。

 世界文化遺産登録を目指す青森県の縄文遺跡群を探訪し、六本柱の栗の木の真相を究明してみませんか。

建設直後の六本柱 大クリ

  三内丸山の復元六本柱      樹齢800年のおぐり


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