PTA会員(さるママさん)から寄せられた意見に対する私の考え

 私の2008年9月29日の記事「PTA執行部会開催、「児童活動費」徴収の廃止に向けて議論」に、天間西小学校PTAの保護者であるサルままさんからコメントがありました。
 4月の全体集会の挨拶で、「私のHP・ブログを見て下さい。意見がありましたらメールでも構いません。」と言って、八戸市のメール一斉送信による防犯対策の記事を紹介した資料に私のメールアドレスを記載していたが、PTA執行部の一部と哘子供会の保護者全員としか、メールでの意見交換・情報交換ができなかった。
 一般のPTA会員の意見をもっと吸い上げたいと思っていても、なかなか「情報を伝達する道路」が整備されていないので、私が期待している活発な意見交換ができなかった。
今回、私のブログにPTA会員から初めて直接コメントが寄せられた事に、とても嬉しく思った。
 アンケートを行うにしても、それが必要かどうかの議論から始まり、執行部会で合意を得ないとできない。印刷して児童を通じて配布するには先生の協力が必要で、どうしても時間がかかってしまう。それと、慎重にならざるを得ないのは、アンケートを実施する以上、その結果は必ず反映させなければならないという性格がある。アンケートの実施を提案した人の期待に反した結果が出たからと言って、アンケート結果を隠したり無視するような事があってはならない。アンケートと言えども、「民意を問う」という点では「投票」に近いあるいは同程度の重さを持つものと考えている。
 さるママさんの貴重なコメントに答える形で私の考えを提示したい。

●さるママさん
 学校便りの学校評価集計について読みました。部活に入ってなくても学校の一員として払うべきというのは…
 保護者として西小の子供たちをみんなで育てるという意味での助け合いだということなら、援助ということで納得もできそうですが…
 とにかくちゃんと毎年説明してから徴収すべきです。それでも納得できない人がいるなら、廃止したほうがいいです。
●哘 清悦
 PTA会員の多く(過半数)がその方法が最良だと思い合意しているのであれば、規約に従って従うしかないと思う。国の税制に対して私は納得はしていないが、選挙で選ばれた議員の多くがそういう法律を作ってしまった以上、不満ではあるが従うしかない。しかし、それは選挙で国民がより良い選択をして過半数を獲得して変える事ができる。
 PTAの児童活動費については、今までも一部の保護者からの不満の声があったと思うが、それを「ごく一部」という扱いで処理(無視)してきたと思う。
 PTA副会長の時はPTA会員から直接意見を聞く場面がなかったが、今年度初めてPTA会長になってみて、PTA会員から直接意見を聞く機会が多くなった。
 児童活動費に関する意見に対しては、相手が納得できるような回答ができなかった。「子どもが部活動に入っていないのに、払わなくてはいけないの?」「サッカーのスポーツ少年団に入っているが、それには全く補助がなく、他の部活動には補助があるというのは不公平ではないか?」「○○部は部員の数も多いのに、補助の配分額が少ないのではないか?」「○○部では廃品回収をして資金集めの努力をしているのに、○○部はそういう努力をしていない。それでいながら○○にお金がかかると言って補助を要求するのはおかしい」「部活動(大会・練習)を優先してPTA行事に参加できないというのであれば、補助する必要はないのではないか?」等々。
 中学校は全員部活動に入らなければならず、教職員もそれを指導する事が仕事の一つとして明確にされており、中体連という大きな大会も学校行事として組まれているが、小学校に関しては、実に不明確であり不安定だ。
 小学校の教職員は、児童数、学級数等で配置される人数が国の基準で決まっている。部活動として指導する事を職務としていないため、部活動を指導するのはサービスという事になる。部活動を指導している間に遅れた仕事は、夜遅くまで残って行う事になる。
 放課後は教職員ではなく地域が児童の指導をする。スポーツに関してはスポーツ少年団が受け皿となり指導する。方向としては他の市町村もそれに向かっていると思うし、実際、各種大会はスポーツ少年団に登録していないと参加できないのがほとんどらしい。
 問題はそのスポーツ少年団の受入・指導態勢が万全かどうかという事なのだが、辛うじて町民のボランティア精神に支えられている状況ではないかと思う。種目は忘れたが、七戸中学校と七戸高校の両方を無償ボランティアで指導していた人が、両方は無理だから中学校の指導は辞退したそうだ。その話の中に指導員の弁当の話も出た。ある保護者が600円の弁当を準備してきたら、「500円の弁当でも十分ではないか?」と発言する保護者もいたらしい。要は、保護者の意識にも相当幅があるという事なのだが、私はその発言をした保護者を責めるつもりは全くない。家庭の経済状況にも幅があり、要保護あるいは準要保護の家庭でありながら、子どものために好きなスポーツを頑張ってさせている保護者もいると思うから。
 国の政策(優先順位・予算配分)を変えなければならない事は勿論だが、七戸町が今後も「教育の町」を標榜するのであれば、少なくとも小中学校だけでも、家庭の経済力の格差によって、やりたいスポーツがあるのにできない子がいるといった格差につながらないようにして欲しいと思う。
 「七戸町に必要だと思われる政策」の「3.子どもを安心して育てることができるまちづくり」の中に、「要保護及び準要保護児童援助費の拡充(医療費・学用品費等・給食費の他に、子供会・部活動・スポーツ少年団での活動費を援助する)」「町費負担での小学校正規教員を独自採用(東通村・六ヶ所村)」「部活動とスポーツ少年団への指導員派遣」「全学年の学童保育実施と支援」「小中高生の登下校にも適したコミニティーバスの運行」を掲げました。これらは七戸町長選挙の立候補者に、掲げて欲しい政策でもあります。
 「PTA会員への説明」についてですが、私は現在インターネットを大いに活用していて、メールのやりとりでスピーディーに意見交換・情報交換していますが、従来の児童を通じて文書配布(しかも一方通行)、参観日の全体集会での説明では、とにかく意見交換の頻度が少なすぎるのと、手続きが煩雑で、「遅い」「情報量が極めて少ない」という欠点を感じていました。インターネットが当然の生活をしていると、紙による大量印刷・大量配布の従来の伝達方法が、まるで海外に住んでいる人に手紙を出すような感覚でとても億劫になります。
 青森県がインターネットの普及率が全国最下位?なのも、竹中平蔵がIT産業振興に力を入れ、そうゆう政策を打ち出した時に、青森県や市町村が普及に力を入れてこなかった(反応が鈍かった)事が原因だと思っています。首長のITに対する意識がITの格差につながったと思う。
 さるママさんのように、インターネットで直接意見を寄せてくれるPTA会員が増えてくれる事を期待しています。また、私もそのように努力してくれたPTA会員の意見は尊重し、素早く対応したいと思っていますし、それがITを重要視し活用する人にとってもメリットになるようにしたいと思っています。

●さるママさん
 学校予算と、部活の後援会会費で賄えるようにするのが一番です。
●哘 清悦
 「学校予算と、部活の後援会会費で賄えるようにするのが一番です。」私もそれが一番だと思っていますが、今までのやり方を変える事に抵抗感がある人もいます。
 町が負担してくれる学校行事は何も問題はないが、町が負担してくれない学校行事は、誰が負担すべきかを考えなくてはいけませんし、年会費2,000円の児童活動費から部活動に補助したところで、部活動毎に新たにそれ以上の年会費を集めている状況下で、わざわざ児童活動費として2,000円支払い、PTA事務員の仕事を発生させて、それから同等の金額をバックするやり方に何のメリットがあるのかと疑問に感じるし無駄に思います。メリットを感じている保護者は、自分の子どもが入っている部活動が、支払った会費以上にもらう補助金が多いと感じている保護者という事になると思いますが、その逆になる人も当然いる事になります。
 私は12月の全体集会で、「年会費5,000円の部活動があるとします。児童活動費を廃止すれば2,000円払う必要がなくなるので、その分年会費を7,000円にすれば同じ事になりませんか?ただし、校外学習等に支出している分(約500円)は、現在7,000円の年会費を7,500円にするなどの対応をしなければなりませんが。」と話しました。
 「児童活動費の配分方法」に満足できない保護者から不満が出る事を考えると、本来、全員が満足できるように配分するのは無理だと思っています。「受益者負担」「独立採算制」にするのが一番良いと個人的には思っています。「互助の精神」を尊重する人は、「募金(困っている人がお金に余裕のある人からお金をもらう)」や「寄付(お金に余裕がある人が困っている人にお金をあげる)」を検討する方法もあると思います。

●さるママさん
 これから、どんどん子供が減っていくのですから、欲張ってはいけません。部活も数を減らすべきです。というか、踏襲する方向で四苦八苦する時間が無駄ではないでしょうか。こんなに考えても、子供は減っているのですから。
●哘 清悦
 行政が力を入れなければならない最重要課題は、そのための政策を実施する事と、それに必要な予算を確保する事だと考えています。多くの市町村が行っている行財政改革は、予算を削減(節約)して借金を減らす事だと思っているようだが、「人口を増やし施設の稼働率を高め一人当たりの維持費を低下させる。そのためにPFIを活用し、人口を増やし定住させるための政策にむしろ資金を投入する」と積極的かつ大胆な行財政改革を打ち出している首長を見かけない。
 天間西小は30年前の児童数は760名だった。今は半分以下の300名を切った。児童一人当たりの校舎・グランドの維持費は倍以上になった。すでにある町の道路や施設を維持していくには、人口を増やして住民一人当たりの維持費を低下させるという発想が大事である。そのためには、女性が独身よりも結婚を選択したくなるように、男女共同参画を強力に進める。経済的負担を軽減するために第3子以上は保育料・学費等は無料にする。地元就職を希望する生徒・学生には、町が責任を持って斡旋する。採用した事業者には若年者の技術・技能指導料という名目で給料の一部を支援する。新規就農者を町外・県外からも募集し、空き家・農地・指導者等の世話をし、定住者を増やす。
 「少子化は社会現象。行政は何もできない。」と考えているような無策・無能な人は、首長になるべきではない。町村合併して3年目の町政座談会で「七戸町独自に行った少子化対策は?」の質問に、「ありません」との回答にはがっかりした。勿論、町独自の少子化対策が全く見えてこないから質問した訳だが。

●さるママさん
 十字路の団地に住んでるのに東小学校に車で送り迎えしている人もいるのです。
●哘 清悦
 どんな理由でそんな負担のかかる選択をしているのかわからないので、もしPTAとして検討すべき理由があり、それをさるママさんが知っていましたら教えて欲しい。公開できない内容であれば、メールでも構いません。

●さるママさん
 役員が嫌で子ども会を止める人もいます。PTA役員のあり方から変えていくべきだと思います。
●哘 清悦
 町子連(七戸町子ども会育成連絡協議会)の総会で私は2年続けて質問したのは、「子供会の加入率」です。子供会が子供の健全育成に役立つ組織であれば、全児童・全保護者が加入すべきだと考えています。「地域の子どもたちは地域で育てる」という観点からも、子供会は学校やPTAの行事や活動ではカバーできないところをやってくれているというメリットがあります。
 行事に参加した児童はとてもいきいきしていて、準備する保護者に負担が当然かかりますが、子どもたちが楽しんでいるのを見ると苦労だとは感じません。「子は夫婦のかすがい」と言いますが、「子は地域のかすがい」だとつくづく感じます。
 10世帯前後の小さな哘子供会ですが、子供会の行事が無ければ、いくら近くに住んでいても話をする機会もなく共通の話題もありません。「田舎なのに都会的、隣の部屋にどんな人が住んでいるのかわからない」という状況は、住民が努力を怠るとすぐにそうなります。
 「役員になりたい」という人は滅多にいません。哘子供会は新年度の役員を決める際に、小中PTAの役員も同時に決めます。特定の人に負担が集中しないように、お互いの得意不得意を理解し合い、役職に就かない人も、行事毎に責任者を決めたり、連絡係、弁当係など、仕事を配分します。
 以前は、「私はもう会長をやった!」と言って、入会したばかりの保護者にいきなり会長を押し付けるような決め方をしていた時もあったようですが、皆が嫌がる役や率先して引き受ける人がいると、「押しつけ合い」ではなく和やかな「話し合い」で決まります。
 男女共同参画に反するように聞こえるかも知れませんが、私はその地域を良くしたいという一心で皆が嫌がる役を引き受けるのは、その地域で生まれ育ち、誰よりもその地域に愛着を持っている人であって欲しいと思っています。女性は他の地域・市町村・県外から嫁いできた人が多いと思いますが、私を含め、男の保護者の中には、生まれも育ちもその地域という人が多いと思います。PTAの地区代表は、「PTA会長に相応しいと思うような人を地区代表に選んで下さい」とお願いしている。
 また、親の都合で子供の機会が奪われるのは残念に思う。必ず全ての行事に親が参加できなくても、参加できる親同士が協力してその行事を行えば良いと思う。お互い様で、その逆に、他の親が参加できない時に、その人が参加できる場合もあると思う。
 今年度の冬休みに、町子連でボーリング大会(12月25・26日)と、県立美術館・郷土館の見学会を実施しました。哘子供会は、「親は何も準備せず、事務局(役場)に申し込むだけで良い。ラッキー!」という感覚で申し込みました。用事が重なっていない子供のほとんどが参加したと思います。各子供会の会長が企画・準備等で苦労するのではなく、町子連の本部の会議に出席し、そこで本部事業としていろいろ提案し、各子供会は参加者を取りまとめるだけにすれば、会長の負担は相当減ると思います。
 私は「人の世話になる事」を勧めます。「人に借りを作るのは嫌だ」とは考えずに、「奉仕活動の貯金」とでも言えばいいのか、「人の世話になる事もあると思うから、私ができる事があれば手伝っておこう」と考えた方が楽だし、私はそのおかげで助かっている事がたくさんあります。

●さるママさん
 PTA会費も今の事務さんが退職したら、雇わなくていいと思います。70万円あったら、スキーが35台買えますよ。
●哘 清悦
 PTA会員の皆さんから頂いた会費の中から、PTA事務員に70万円を報酬として支払っています。PTA事務員を置かないところは、大体教頭先生が事務を行っていると思います。PTA会長を務めてみるとわかりますが、天間西小PTAに関しては、非常に頼りになる事務員です。6校統合して31年が経過しましたが、その時からずっと事務員としてPTAに関わってこられたので、昔のPTAの活動や、地域住民(特に卒業生や保護者)の事をとてもよく知っています。校長・教頭・教職員・PTA役員が毎年顔ぶれが変わる時に、31年間天間西小を見てきたという点では、とても貴重な存在です。
 初代のPTA会長からずっと男がPTA会長を務めていますが、女性の保護者の意見をよくきいてくれるので、PTA執行部の結束力維持に大きく貢献してくれています。PTA研究大会への参加要請に対しても、当PTAの参加率が高いのは、PTA事務員の人徳であり、私に代わって夜自宅から電話をかけてお願いしてくれています。
本人が続けてもよいと言ってくれているうちはお願いしたいと考えています。
 勤務時間は基本的に月曜日から木曜日の午前中ですが、電話連絡(電話代は事務員持ち)が自宅から夜行う事もあるし、土日の行事にもPTA会員と一緒に参加する事もあります。
 時給700円とすれば1000時間相当。時給1000円とすれば700時間相当。いずれにしても教職員(公務員)の給料よりは格段に安い訳で、私はむしろ学校ヘルパー?として、教職員の雑務を減らし、教職員がより児童に向き合う時間を確保できれば幸いだと思っています。少なくとも、東通村や六ヶ所村のように、町が臨時教職員を採用し各校に配置するよりもお金がかからないし、費用対効果は高いと思っています。
 現在天間西小は、教職員が五つの部活動の指導にあたってくれていますが、「周4日(水曜日は職員会議で休部)×5種目×2時間=40時間」を本務以外で指導してくれているので、町が臨時職員を採用し、「一人」配置してくれればその負担を十分補えると考えています。
 町長が何をおいても「教育」を優先する人であればそういう事も考えると思うし、輪転機や放送機材も頻繁に故障するのを我慢させておく事はないと思います。ただ残念な事は、新幹線駅周辺整備が最優先されたため、教育現場は大分我慢させられたと感じています。
 スキーに関しても、成長著しい小中学校は、何時間も使用しない教材は可能な限り町が用意するのが良いと思います。部活動でも使用する子は別にしても。
毎年数十台「買う」となれば、スポーツ店は売上が伸びて喜ぶでしょうが、いづれ「ゴミ」として出てくる事になります。ゴミ減量化の観点から、なるべく新品を購入する人が最小限で済むような仕組みを考えるべきだし、PTA主催のリサイクルや体育館の貸出等も利用して欲しいと思います。

●さるママさん
 なんて言っても、どうせ少数意見として、黙殺されるのでしょうね…。
●哘 清悦
 私は意見を最初に聞く段階から、「少数意見か多数意見か」という事は一切考えません。意見の中身が大事だと思っています。一人の意見は、全体を良くする提案である事もあるからです。建設的な提案や斬新な提案というのは最初は少数意見だと思います。その提案に賛同する人がたくさん出てきて多数意見になっていくと思います。
 私は少数意見を黙殺するような人間ではないので、児童活動費に関してもPTA会員全員に検討を要請しました。今後も気が付いた事がありましたら些細な事でも構わないのでお知らせ下さい。

calendar
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< January 2009 >>
selected entries
categories
archives
recent comment
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM