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電力会社が再処理路線生き残りを謀るワケ(その2)1/2

平成5年(行ウ)第4号再処理事業指定処分取消請求事件

原 告 大下由宮子 外157名

被 告 経済産業大臣

準 備 書 面(120)


電力会社が再処理路線生き残りを謀るワケ(その2)

 ―経済性を審判しなかったのはなぜか? 


青森地方裁判所 民事部御中
            
2013年(平成25年) 3月 1日

              原告ら訴訟代理人

              弁 護 士   浅 石  紘 爾

              弁 護 士   内 藤   隆

              弁 護 士   海 渡  雄 一

              弁 護 士   伊 東  良 徳

                          外13名

1.日本原電の経営危機は他人事でない

前回、準備書面(116)で「電力会社が再処理路線生き残りを謀るワケ」を陳述した。その際に、週刊ポスト 2012年11月11日号(甲C第58号証)「怒りの告発スクープ! 値上げ電気料金は「原発ゼロ」の国策原発企業に消える」において、日本原電が12年度に原発の発電をほとんどしていないのに、1443億円を売り上げている事実を紹介した。

その後、同年11月26日に関西電力が値上げを申請したが、日本原電が原発での発電をしていないのに、維持管理費として340億7900万円も支払っていることが翌2013年1月28日開催の公聴会で明らかとなった。関西電力社長は、日本原電とは切っても切れない、運命共同体として経営を支える等と述べたが、電気利用者からは、値上げの前にするべきことがあるのではないかと追求された。

日本原電は、沖縄電力以外の電力会社から出資してもらっているので、関西電力以外にも、相当額を充てて、日本原電を支えざるを得ないのだろうと思っていた。

ところが、日本原電の経営危機は、かなり危険領域に入り込んでいたことが、2月下旬に明らかとなった。

2013年2月20日の時事通信社の記事は、「日本原電がウラン売却=再稼働見通せず、借入金返済で」というタイトルで、以下のように伝えている。

「 電力各社が出資する原発専業の発電会社、日本原子力発電(東京)が原発燃料であるウランを一部売却したことが20日に分かった。同社は売却先などは明らかにしていない。電力会社が、保有するウランを売却するのは極めて異例。

日本原電は敦賀原発1、2号機(福井県敦賀市)、東海第2原発(茨城県東海村)の計3基の原発を保有するが、いずれも再稼働の見通しが立っていない。経営の不透明さが増す中、売却で得た資金は4月に期限が迫っている借入金の返済に充てるとみられる」。

他紙にも紹介された内容をまとめると、「4月に満期を迎える借金のうち約400億円は、ウラン売却に加え、給与引き下げといった経営合理化などで返済資金の目処が立った」。

これとは別に、「大手電力が支払いを保証している約1千億円の借金は、大手が4月以降も資金支援や債務保証を続ける方向で調整に入った」ということである。

これでもなお、東電は日本原電の電気を買い、この価格を値上げ料金の原価に含めるというのか。そして、関西電力、九州電力、東北電力、四国電力でも同様の構図になるのだろうが、電気を供給されないのに費用負担だけを継続するというのでは、国民誰の目から見ても無駄は明らかであるし、それを支払わなければ、値上げ幅を圧縮できるのである。

そして、同様の疑念は、日本原燃にも及ぶのは当然である。

2.経済性の問題を裁判官はどう見るべきか?

事業の経済性について、元々の事業申請書に記載はあるのだが、企業秘密という名目で公開資料の上ではブランクとなっている。また、事業指定審査では妥当な判断がくだされたというのだが、どういう判断内容であったかも明らかにされていない。財政的な根拠や将来的な展望があるのかが、国民の目から隠されてきた。

このような判断のもとで開始された事業であるが、設計ミスや施工ミスから建設費が高騰した場合には、日本原燃の経営は破綻を免れない。それを解消するために、『準備書面(116)の5.再処理工場の費用負担の現状報告(2)再処理しないのに、再処理売上のある日本原燃の不思議! だ冦制度の創設』で述べたように、積立制度を創設して乗り越えることになった。そのために、平成17年5月に法律(原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立及び管理に関する法律)を作って積立をはじめたのである。

要するに、当初の事業申請における経済性の判断は形式的なもので、不足が生じれば、法律を作って国民から追徴するというだけのことであった。現状の積立金で乗り越えられなければ、また別な方法でお金を国民から追徴するのであろう。国としては、経済性ありとの判断をしたことの誤りを深く詮索されたくないので、経済性問題を非公開としてきたのである。

このような無責任な姿勢を放置することなく、非公開とされている内容について、しっかりと裁判官が内容をチェックするために、国や事業者に対し資料の提示を求めるべきである。

この点について、触れた新聞記事を、以下に紹介する。

3.体制の根幹に触れるか否か?

  福島民報 2013年月21日

  特集記事 『3・11大震災 福島と原発 第12部国策への
        異議 15』

   審理支える態勢不足 裁判官に心理的重圧も

   福島原発訴訟で、原告側の住民は「裁判所は科学技術的問題
  にも実体に踏み込んで審理で
きる」と主張し、司法が原発の安
  全性を丁寧に検証するように求めた。

   しかし、二審の仙台高裁の判決は、原子炉の設置許可を「国
  の専門技術的裁量行為」と位
置付けた。その上で、裁判所の役
  割について「国が出した設置許可が審査指針や許可当時の
科学
  技術水準に合い、合理性を持つかどうかを審査する」と、司法
  判断に一定の範囲を示し
た形となった。

   最高裁も福島原発訴訟と同時に出した伊方原発(愛媛県)訴
  訟の判決で、裁判所の審理対
象を「行政側の審査基準に不合理
  な点があるか、判断の過程に過誤や見過ごしがあるかどう
か」
  との見解を示した。

<専門知識>

「原発についての専門的で、分からない事柄があっても、聞
く相手がいなかった」

   福島原発訴訟の二審・仙台高裁で左陪席の裁判官を務めた弁
  護士の木原幹郎氏(73)は、
当時の裁判所の態勢を思い起こ
  す。

   木原氏によると、比較的、事件数が多く、高い専門性が必要
  とされる「特許事件」には、
特許庁から専門職員が東京地裁な
  どに出向し、調査官として裁判官を支える仕組みがある。

   脱税などの事件では、国税庁の専門職員が東京地裁や東京高
  裁に出向し、調査官として助
言するケースがある。

   裁判官は、法学部などの文系出身者が多数を占める。しか
  し、木原氏によると、福島原発
訴訟の審理が仙台高裁で行われ
  ていた当時、原子力に関する科学知識を補充するための専門

  裁判所に出向していなかった。原子力に関する勉強会や研究会
  なども裁判所関係者の間で
開かれなかった、という。「科学者
  や技術者の判断に、科学知識を備えていない裁判官は口
を挟み
  づらいのが正直なところだった」

<政治制度>

   行政訴訟の判決が過去に「政府などの体制寄りだ」と批判さ
  れたことがある。

   木原氏は、ある判例を例に挙げ「政府を困惑させるような判
  決を下した裁判官の中には、
本人にとって不本意と感じられる
  人事もあったと思う。将来の人事につき不利益を受けたく
ない
  気持ちが働けば、反体制的な判決は出したがないのではないか
  」と弁明する。

   木原氏は山形地裁に勤務した昭和50年代前半、労働問題を
  めぐる訴訟で、原告の労働者
に一部有利な判決を下した経験が
  ある。「体制の根幹に触れるような問題ではなかったか
・・
  ・」と振り返る。

   「原発訴訟では裁判官は心理的に重圧を感じる」。木原氏
  は、高度で専門的な科学技術や、
統治制度をテーマにした訴訟
  で、裁判官が置かれる難しい立場を解説する』。

 福島原発訴訟で、原告側の住民は「裁判所は科学技術的問題
 にも実体に踏み込んで審理で
きる」と主張し、司法が原発の安
 全性を丁寧に検証するように求めた。裁判官は、法学部な
どの
 文系出身者が多数を占めるのであるから、本件訴訟を審理する
 には、少なくても経済性
の問題のような、文系出身者が見ても
 分かる範囲のことは、資料提供を求めるべきではない
だろう
 か。


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